中之島中央部に位置する10階建ての大阪大学第4のキャンパス「大阪大学中之島センター」。展覧会や公開講座を積極的に開催し、多くの市民から親しまれています。
知と感性を刺激するイベントを開催。大阪大学の多機能な文化施設
大阪大学中之島センターは大阪大学が保有する施設です。2004年に大阪大学創立70周年記念事業の一環として大学発祥の地である中之島に設立され、2023年には機能強化を目的とした改修工事を完了させてリニューアルオープンしました。「文化」「芸術」「学術」「技術」の“四つの知”が交差する、社学共創・アート・産学共創のグローバル発信拠点を形成することをコンセプトとして活動。日々、訪れる人の知的好奇心を刺激するイベントが行われています。
3階、4階は、アートスクエアである「中之島芸術センター」。大学院生・学部生及び社会人が芸術の実践に参画する場として、展覧会やギャラリートークなどを開催。また、5階の「いのち共感ひろば」では、いのち輝く未来社会の実現を目指して産学官民共創で多様なテーマの対話を重ねる「いのち会議」が行われています。SDGsゲームやデジタル地球儀、本、VRシアター、アート展示など、子どもや生徒、学生も楽しめるようなコンテンツも充実しています。
加えて、10階の佐治敬三メモリアルホールでは大阪大学の公開講座などが実施されるなど、館内全域で、知性、感性ともに豊かになるようなイベントが連日開催されています。
なお、2階にある「カフェテリア・アゴラ」はリーガロイヤルホテル(大阪)の直営店。センターのコンセプトにちなんで4つの味わいが堪能できる「アゴラバーガー」が人気です。
大阪大学の原点が描かれた、森村泰昌《適塾の集い》を常設展示
《適塾の集い》は、大阪大学の特任教授である美術家の森村泰昌(もりむらやすまさ1951〜)が手がけた写真壁画作品です。蘭学者・医学者の緒方洪庵が1838年に開いた「適塾」は、大阪大学の原点といえる私塾。本作は、大阪大学中之島センターのリニューアルに合わせ、大阪大学の「顔」となるような作品設置を目指し、制作されました。
ゴッホ、アインシュタイン、マリリン・モンローなどに自らが扮装する自画像を一貫して製作してきた森村氏。「適塾と緒方洪庵」をテーマとする本作では、作品に登場する7名の適塾生役を大阪大学の在学生から募集しました。他者が登場する点で、本作は極めて珍しい森村作品といえるでしょう。大阪大学中之島センターの壁面に常設展示されています。
1階ロビーには今井祝雄《タイムストーンズ400》原型を展示
元具体美術協会(GUTAI)会員で、美術家である今井祝雄(いまいのりお 1946〜)のパブリックアート《タイムストーンズ400》。1982年に新大阪駅前に設置され、21世紀を迎えた際に完成するはずだった本作は、管理者不在により現在まで未完成となっています。また、大阪大学では本作をテーマとした展覧会「パブリックアートってなんだ? ―《タイムストーンズ400》と考える」を大阪大学総合学術博物館で開催するなど、パブリックアートへの理解を深める機会を設けています。大阪大学中之島センターの1階ロビーには本作を構成する巨石の原型が展示されています。
「文化」「芸術」「学術」「技術」が交差する中之島で、大阪大学中之島センターがどのように活動を発展させていくのか、今後の取組に期待が高まります。
基本情報
住所 | 大阪市北区中之島4-3-53 |
電話番号 | 06-6444-2100 |
最寄駅からのアクセス |
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開館時間 | 8:30~21:30 |
休館日 | 年末年始以外の休館日なし ※定期点検を行う場合は臨時休館 |
入場料 | 無料 |
講習料等 | 各イベントにより異なる |
留意事項 | 館内禁煙、飲食物の持ち込みは原則禁止 |
公式Webサイト |