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京都国立博物館について
煉瓦造りの洋風建築が佇む京都国立博物館は、東山の一角に位置します。周辺には千体の千手観音像で有名な三十三間堂があり、古都・京都の雅な雰囲気が漂うエリアです。敷地内には緑豊かな庭園が広がり、歴史的建築物と自然が見事に調和した趣ある風景を味わえる、日本を代表する国立博物館です。
京都国立博物館(旧 帝国京都博物館)は1897年に開館しました。以降、平安から江戸にかけて千年の都であった京都ゆかりの文化財を中心に収集・保管・展示するとともに、文化財に関する研究、教育・普及活動を行ってきました。また、京都という土地柄上、周辺の寺社などから貴重な文化財が多数寄託されており、保存・修復という博物館の重要な役割を果たしながら、価値ある作品を後世へ継承しています。
教育・普及活動の面では、文化財への理解を深められるよう、研究員による講演会やボランティアによるワークショップなど、来館者が参加しやすいイベントを定期的に開催しています。
京都国立博物館の愛称は、京博(きょうはく)。博物館が所蔵する尾形光琳の作品《竹虎図》をモチーフとした公式キャラクター「トラりん」グッズを販売するなど、歴史の重みの中に親しみも感じられる博物館です。
京都国立博物館のアクセス・利用案内
住所 | 京都市東山区茶屋町527 |
電話番号 | 075-525-2473(テレホンサービス) |
最寄駅からのアクセス | JR京都駅下車、D2のりばから市バス206・208号系統にて博物館三十三間堂前下車、徒歩すぐ |
開館時間 | 9:30~17:00(「特別展」は開館時間が異なる) |
観覧料 |
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料です(要証明)。 ※障害者手帳等(*)をご提示の方とその介護者1名は、観覧料が無料になります。 *身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証 |
休館日 | 毎週月曜日(月曜日が祝日・休日となる場合は開館し、翌火曜日を休館)、年末年始他 |
設備 | コインロッカー、フリーWi-Fiあり
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留意事項 | 七条通りに有料駐車場有り。駐車券提示で割り引きサービスが受けられる。 |
公式Webサイト | https://www.kyohaku.go.jp/ |
京都国立博物館の見どころ
コレクション
開館時から歴史ある寺社などから作品を受け継いできた京都国立博物館の収蔵品は多岐にわたり、考古学資料から、染織品、陶磁器といった工芸品、彫刻、絵画、書跡まで15,000件以上(館蔵品約8,500件、寄託品約6,600件)にのぼります。
国宝・重要文化財も数多く、誰もが一度は本や教科書で目にしたことがあるような有名作品も多数あります。中でも代表的なのは、俵屋宗達画・本阿弥光悦書の重要文化財《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》や、京都・建仁寺から寄託を受けている国宝《風神雷神図屏風》などが挙げられるでしょう。また、庭園に屋外展示されているロダンの彫刻《考える人》像も必見です。
なお、作品は、仏画、絵巻、肖像画、中世絵画、近世絵画、中国絵画、書跡、彫刻、金工、陶磁、漆工、染織、考古の主に13種類のジャンルで管理され、公式Webサイトから展示予定をチェックできます。
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建築
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博物館のシンボルとも言える「明治古都館」は、日本建築界の草分けの一人で、宮廷建築家として活躍した片山東熊(かたやまとうくま 1854〜1917)が手掛けました。フランス・ルネサンス―バロック様式を取り入れつつ、日本的な繊細さや抒情性が見事に表現された外観です。当初は煉瓦造りの洋風建築は古都・京都に合わないと反対する声もありましたが、現在は京都を代表するスポットとして親しまれています。1969年には、本館、表門、札売り場及び袖塀(そでべい)が重要文化財に指定されました。
※現在、明治古都館は免震改修を進めており、展示を行っていません(2023年11月現在)。
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明治古都館と好対照をなす、現代的でスタイリッシュな建物は「平成知新館」です。ニューヨーク近代美術館 新館や、東京国立博物館 法隆寺宝物館などを手がけた世界的建築家・谷口吉生(たにぐち よしお 1937〜)が設計しました。開放的なロビーには日光が差し込み、穏やかで明るい空間を演出しています。
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明治古都館の建物の裏手にある茶室「堪庵(たんあん)」は、京都における江戸時代初期の公家文化の伝統を受け継いだ数寄屋造りの建物。茶会等に利用することができます(要予約、有料)。また、東の庭の一角にある洋館の技術資料参考館は、昭和初期に陳列品収納用倉庫として建築されました。2008年には国の登録有形文化財に登録されています。
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代表的な過去の展示
京都の文化を感じられる館蔵品を軸とした名品ギャラリー(平常展示)のほか、日本やアジアの芸術品を多様な視点で取り上げる特別展を年に数回開催しています。豊富な収蔵品で構成される展示はいつ観ても新しい発見があり、年中多くの来館者が訪れています。
特別展覧会「琳派 京(みやこ)を彩る」(2015年)
御即位記念 特別展「皇室の名宝」(2020年)
特別展「京(みやこ)の国宝―守り伝える日本のたから―」(2021年)
特別展「京(みやこ)に生きる文化 茶の湯」(2022年)
親鸞聖人生誕850年特別展「親鸞─生涯と名宝」(2023年)
ミュージアムショップ
「ミュージアムショップ京都便利堂」では、京都国立博物館の名品をあしらった絵はがきやクリアファイル、一筆箋などのステーショナリーのほか、鳥獣人物戯画グッズや過去の展覧会図録、専門書まで、数多くのミュージアムグッズを取り扱っています。公式キャラクター「トラりん」のグッズも販売されています。
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営業時間 |
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定休日 | 博物館の休館日 |
Webサイト |
カフェ・レストラン情報
「前田珈琲 京博店」は、南門併設カフェとして2018年にオープンしました。1971年創業の前田珈琲は、喫茶文化に恵まれた京都の町を代表する珈琲店の一つ。重要文化財の明治古都館や庭園を眺めながら、軽食やドリンクを楽しめる贅沢なスポットです。博物館のチケットがなくても利用可能なため、京都観光の休憩に使う方もいます。京博店限定ブレンド珈琲「京」や、京都産瑞穂たまごで作ったふわふわ玉子サンドなどのメニューが人気です。
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京都国立博物館周辺のおすすめスポット
清水三年坂美術館
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「清水三年坂美術館」は幕末・明治の七宝・金工・蒔絵・京薩摩を常設展示する日本で初めての美術館として2000年に開館しました。
実用性よりも装飾性が重んじられた幕末・明治期は、蒔絵師や金工師が高度な技術を駆使し、芸術性の高い調度品、刀装具、装身具を多数生み出しました。しかしその後、生活の洋式化に伴い日本での需要が急速に減少。国の外貨獲得のための殖産興業政策の影響もあり、これらの美術品は海外へ大量に流出します。
何必館(かひつかん)・京都現代美術館
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近・現代美術作品を中心に取り扱う「何必館(かひつかん)・京都現代美術館」。館長によって名付けられた「何必館」の名称は、定説を「何ぞ必ずしも」と常に疑う自由な精神を持ち続けたい、という願いから。コレクション展では北大路魯山人、村上華岳、山口薫の作品を中心に展示。中でも北大路魯山人の作品は充実しており、地階にある北大路魯山人作品室で常設展示されています。
十二段家 本店
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「十二段家 本店」は、八坂神社のある京都市東山区祇園町に店を構えます。京町家の風情と骨太な民藝建築が共存した店構えが特徴です。工芸品や絵画など、店内に飾られた一級の美術品は必見。二代目店主と交流のあった陶芸家の河井寛次郎や濱田庄司、漆芸家の黒田辰秋(たつあき)、版画家の棟方志功など、民藝運動を担った錚々たる作家の作品を鑑賞できます。
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